ようやく発売された香港編文庫版。
全てのエピソードの中でも一、二を争うほど好きな話なので問答無用で購入。


……
うむ、やはりおもしろい。


冒頭の小暮との会話とそれが伏線となっている中盤のカジノ、
シリーズ中恐らくはもっとも偶然に助けられた拷問、
洪薫とのしびれがくるような交渉、
やりきれない感情に満たされるラスト、
そしてエピローグの勇午と洪薫の会話。


どのシーンを抜き出しても名シーンしか出てこない、と云うのは褒め過ぎでしょうか?
せっかくアニメでやるならば香港編までやって欲しかった、と云うのが本音です。


ただこうして初期の話を読むとやはりどうしても
最近のストーリーに物足りなさを感じてしまう。
最新の北九州・対馬編もつまらない、ということはない(むしろ標準以上の面白さはある)
がどうしてもスケールの小ささを感じてしまう。
素材自体は非常に面白いネタを扱ってると思うんですが、
(秀吉の時代に遡る怨霊との交渉、爆破テロと全役員の自害を求める脅迫など)
どうも最後のまとめがあっさりしているというか感動がないと云うか…


初期の頃のような強大な権力や暴力の持ち主相手に信頼を得て交渉を成功に導く、
というカタルシスを期待してるのですが次の舞台は東京・種子島編……
おもしろくないはずはないでしょうがはてさてどうなるか、
次回のイブニングが待ち遠しい限りです。